こんにちは、プランニングディレクターのトナカイトシキ(@TonakaiToshiki)です。
私は今でこそ新規ビジネスの立ち上げサポートをおこなっていますが、経験不足だった頃は友人の事業に携わって失敗した苦い経験があります。
おかげで今の自分が存在していますが、できることなら過去に戻ってやり直したいです。
今回は「なぜビジネスが失敗したのか?」「失敗しないためにはどうすれば良いのか?」ということを事例付きで解説します。
ぜひこの記事を読んで、同じ失敗をしないようにしてください。
今回の記事はバリバリの失敗事例の紹介です。
「美容室 × カフェBAR」ビジネスの失敗事例
10年以上前の話ですが、美容師の友人が独立して自分の店を持つことになりました。
当時の私はデザイン職のディレクターで、お店のロゴデザインやプロモーションを手伝って欲しいとの依頼があったのです。
さっそく話を聞いてみると、どうも普通の美容室ではない様子…
美容室とカフェBARを融合させた新しい業態のお店をつくるんだ!
大丈夫かな…?
まだ誰もやっていない新しいビジネスを発明した
地域の競合は誰もやってないし市場が独占できる。これ絶対流行るわ。
ほ、本当に大丈夫なんだろうか…
今でこそ「美容室 × 飲食店」という業態はありますが、当時はノウハウが確立されておらず、成功しているお店はありませんでした。
そして友人は飲食店経営のノウハウは0。
そんなビジネスに大量のコストを全力で投入するとどうなるか。
お察しだよね。
顧客のニーズが存在しない発明品をつくるな
肝に命じて欲しいのですが、まだ世の中に存在していない新しいビジネスを、あなただけが閃くようなことはありません。
ほとんどの場合、すでに誰かが同じことを考えたけど、上手くいかなかったから、世の中に存在していないのです。
根本的に顧客のニーズが存在していない可能性が高いです。
「なんとなく流行りそう」という考えでビジネスの骨組みをつくるとこういう発明品が生まれがちです。
これは見込み客にリサーチすることで回避できます。
成功のコツ:先に顧客のニーズをリサーチする
自分のサービスの価値を知るために必要なのは顧客との対話です。
サービスの骨組みを考えたら、お金を出してそれが欲しいかを見込み客に聞きにいきましょう。
このとき、
と聞いてはいけません。
「面白そう!使ってみたい!」とか返ってきます。
あったらいいよね!みたいなノリで。
「あったらいいな」は「行けたら行くわ」くらい信用ができないと思ってください。
正しくは、
と聞く必要があります。
ビジネスというのは、顧客のお困りごとを解決することで、お困りごとの大きさの分だけ報酬が得られる仕組みなんです。
じゃあ美容室にカフェBARが併設されてないことで困ることって何かある?
って聞かれると別にないよね。
そういうサービスは売れません。
人は「あったらいいな」ではなく「ないと困るもの」にお金を払うのです。
成功のコツ:すでに存在するビジネスモデルの真似をする
顧客のニーズを確認する確実な方法は、すでに競合がいるかをチェックすることです。
競合がいるということは顧客のニーズがあり、市場が存在することを意味します。
まずは複数の競合のビジネスモデルをリサーチしてリストアップしましょう。
次に、既存の競合のサービスでは解決しきれていない部分や、仕組みはそのままで特徴だけを変えられそうな部分を分析していきます。
そして「このサービス惜しいな」「自分だったらこうするのに」という部分だけを変えて、自社サービスの特徴を持たせるのです。
そうすることで「既存のビジネスの × 自社サービス版」という形で表現できます。
いくつか具体例をあげます。
このように「すでに存在するビジネスを真似して一箇所だけ変えて特徴を持たせる」ことを意識しましょう。
そうすることで、ゼロからビジネスを作り出すよりも圧倒的に成功しやすいビジネスモデルがつくれます。
起業をするのに必要なのは斬新なアイデアではありません。
顧客と競合のリサーチです。
顧客のニーズを知り、そこへアプローチする手段をたくさん知ることで、失敗する確率はグンと減ります。
あとは顧客の満足度が基準をクリアするまでひたすらテストと改善を繰り返すだけです。
結論:ビジネスで失敗する理由の多くはリサーチ不足
今回の事例「美容室 × カフェBAR」が失敗した理由は、一言でいうとリサーチ不足です。
ビジネスの設計段階から問題があったということです。
それを回避するためにはサービスをリリースする前に、
という手順を踏んで、テストと改善を繰り返す必要があります。
そして「あったらいいな」ではなく「これがないと困る!お金を払ってでも欲しい!」と言われるようになれば、その商品は確実に売れます。
売れるサービスというのは徹底的に顧客目線のものです。
自分の頭だけで売れそうなサービスを考えたりせず、まずはターゲットのお悩みに寄り添うところから始めましょう。
次の記事では、引き続き「美容室 × カフェBAR」を事例に、オープン前に小さくテストを繰り返す具体的な方法を紹介しています。
また、リサーチの段階で「先に売ってから、商品をつくる」テクニックについて、こちらの記事で紹介しています。
どちらもビジネスが失敗するリスクを軽減する重要な技術ですので、ぜひ参考にしてください。
それではまた次回!