こんにちは。プランニングディレクターのトナカイトシキ(@TonakaiToshiki)です。
前回、起業で失敗しないための技術について記事を書きました。
まだ読んでいない方はぜひチェックしてください。
簡単におさらいすると、
というお話をしました。
これを実践すると
という状態になります。
今回の記事はその続きです。
実践的な内容なので、ぜひ前回の記事とあわせて参考にしてください。
1度売れただけでは商品に価値があるのかわからない
1度商品が売れたということは、少なくともこの段階で
という部分までクリアしたことになります。
おめでとうございます。
あとは見込み客をたくさん集めて、たくさん売るだけ…
ではありません。
この状態で拡大すると需要はあるはずなのになぜか売り上げが良くないというパターンになりがちです。
大変申し上げにくいのですが、1回売れただけではダメです。
なぜなら、1度売れただけでは本当に商品に価値があったかわからないからです。
どういうことか解説します。
人は期待値でモノを買う
例えば、近所にオムライス屋さんが新しくオープンするとします。
オープン前からメディアで紹介され、外装もオシャレ、開店日には長蛇の列ができていました。
それを見たあなたは、わくわくしながらお店に行き、一番人気と書かれた「魅惑のふわとろオムライス(1200円)」を注文し、最初の一口を食べます。
あれ…なんか…まずい…
卵は硬いし、米はベチャベチャ…
ソースの味もイマイチ…
これで1200円か…うーん…
もう来なくていいや
ってなるよね。
それです。
1回目の購買欲求に、商品の実際の良さは関係ないのです。
人は期待値でモノを買っています。
あなたがどんなにオムライス好きで、メディアが勧めていて、お店がオシャレでも、
提供された料理が期待外れだったら二度と行きませんよね?
そういうことです。
つまり、本当に価値がある商品かどうかは、1回使ったユーザーが「期待通りだ!また使いたい!」とリピートして初めてわかるのです。
SNSで横行している「ゴミ商材を高額で売る」という手法は、期待値を高めて売りぬく技術に特化したものです。商品の中身が関係ないので、新規顧客だけを常に集めているわけですね。焼畑農業かな?
リピート購入されて初めて価値があるとわかる
商品に価値があるかどうか。
顧客の満足度は高かったか。
これらは同じ人に「“2回”購入されたかどうか」で判断できます。
顧客に主観的な満足度を訪ねても数字で測定できませんからね。
“2回”購入されたかどうかは明確な数字として測定が可能です。
目に見えない情報を測定可能な数値にして、分析や改善をすることが大切です。
そして、
- どんな人が2回買うのか?
- なぜ2回買うのか?
といった条件を知ることができれば、起業の成功率は飛躍的に上がります。
見込み客が集まる場所を知っていて、その人たちが何を欲しがってるのかわかっていれば、あとはそれを届けるだけになるからです。
- 初回のセールス時に期待値を上げ過ぎると、それを超えていないと顧客に判断された場合、満足度が低くなってリピート率が下がります。期待値の上げ過ぎには注意。
- 高い期待値に応えると満足度と単価が高くなりやすいです。自信があるなら期待値を上げてもOK。
顧客がリピート購入する条件をリサーチする3つの方法
ではここから具体的なリサーチの方法をお伝えします。
規模が大きいビジネスだとリサーチにもそれなりのコストが必要ですが、今回はスモールビジネスでおさえるべき最低限の3つの方法をご紹介します。
1:モニターアンケートをとる
ここまでの段階で一度買ってくれた購入者がいるはずです。
購入者からは必ずモニターアンケートをとりましょう。
例えばセミナーを開催したのであれば、
- なぜ参加したのか?
- 期待通りの内容だったか?
- 他に取り上げて欲しいテーマはあるか?
- 他に何かお悩みごとはあるか?
といった項目をアンケートします。
そして次にセミナーを開催する時はアンケート内容を反映して改善します。
セミナー参加者の中で要望が多かったテーマを取り上げたり、評価された要素を取り入れて、内容をブラッシュアップしていきましょう。
目安として5〜6回はコストを最小化した状態でテストするのがオススメです。
アンケートで「期待通りの内容でした!」という声が増えてきたり、リピート率が増えたら、顧客の求めているものと、自分が提供している内容がすり合ってきていると言えます。
新規顧客の獲得も大事ですが、それよりもリピート率を高めることに注力しましょう。
2:顧客をセグメント分けする
実は見込み客の中には本当の顧客ではない人が混ざっています。
「見込み客っぽいけど、自分のサービスでは価値が提供できない人」を指します。
顧客の求めているものと、提供サービスの価値がズレている状態です。
事例で解説します。
企業向けプロモーション動画制作サービスの事例
これは企業向けの動画制作サービスの事例です。
販促目的の動画にジャンルを絞り、パッケージング(フォーマット化)した動画をハイクオリティ & 低単価で提供できる特徴のサービスです。
顧客セグメント表とは、実際に問い合わせがあった顧客を分類して、自社サービスが提供できるターゲットとそうでない人を区別するものです。
ハイクオリティ & 低単価を実現するためにパッケージ化しているのに、本当の顧客ではない人の満足度まで無理やり上げようとすると、余計なコストが発生したり、商品の特徴が弱くなり、結果として本当の顧客が離れてしまいます。
あなたのサービスの価値を最大限に発揮できる顧客と、そうでない顧客は明確に分けて「本当の顧客」の満足度を高めるサービスを設計しましょう。
そうすることで、結果的に新規顧客とリピート顧客の両方が増えることになります。
3:モニター顧客リストをつくる
一度買ってくれたお客さまからは必ず連絡先を取得しましょう。
そして、購入後の反応やアンケート内容をまとめたモニター顧客リストをつくります。
モニター顧客リストでは、購入した顧客がリピート購入する条件の仮説を立てて、どんな行動を取ったかを分析します。
上記の例だと、初回購入をした顧客に、
- 他社の事例動画を配信
- 納品後の簡易修正を無料サービス
- 動画の運用アドバイスセミナーを告知
という3つのアプローチをかけて、リピート購入までの顧客の反応をチェックしています。
上の事例だと、仮説3の運用アドバイスセミナー参加者はリピート購入率が高いので、実際に運用してみて効果を実感したことで、リピート購入を決めている可能性がありますね。
そこで、運用アドバイスセミナーへ興味をもってもらうために
などをすることで、リピート率が上がる可能性があります。
こんな感じで、顧客のリピート購入の決め手となる体験がなにか仮説を立てて検証し、購入する理由がわかれば、リピート率を格段に上げることができます。
まとめ:満足度をコントロールして“2回”売ろう
1回目は期待値でモノを買う
2回目は満足度でモノを買う
という顧客の心理は理解できましたでしょうか。
期待値と満足度を可視化して、自分でコントロールできるようになれば、起業で失敗することはほぼなくなります。
すでに見込み客の連絡先リストを持っていて、その人たちが欲しがるものを知っていれば、あとはあなたがそれを提供するだけです。
ここまではほとんどリスクもコストもかけずに来れるので、前回の記事と合わせて、ぜひ今週末にでも企画を立ててみてください。
「自分の商品なんて持ってないよ」という方は、サラリーマンが副業から始めるスモールビジネスの手順の記事を参考に、まずは副業にチャレンジしましょう。その過程で、自分のスキル特性や、需要のありそうなジャンルがきっと見つかります。
それではまた次回!