こんにちは、プランニングディレクターのトナカイトシキ(@TonakaiToshiki)です。
私はせどりとか転売と呼ばれるビジネスを専業で目指すのはオススメしていません。
お金を増やすだけなら効率の良い稼ぎ方ではあります。
シンプルで再現性も高いため、初心者が成果出しやすいのは事実です。
インターネットを使えば今すぐにでも始められるので、月数万から数十万くらいを目指す副業であればオススメです。
ただ、副業ではなく専業ビジネスでやるとなると、儲かる儲からない以前に、オススメできない要素がいくつかあるので、今回はその辺についてお話します。
メリットとデメリットを知って行動するのが大切です。
「せどり」や「転売」で稼ぐとはどういうことか
転売というのは、安く仕入れて、高く売れるところで販売し、その差額が利益となるビジネスです。
安く仕入れたものを高く売って利鞘を得るというのは、商売の基本なので、転売はとてもシンプルなビジネスと言えます。
スーパーやコンビニの商品だって、メーカーから卸価格で買った商品を、小売価格で販売しているので、仕組みとしては転売みたいなもんです。
これだけ聞くと「通常販売と転売って何が違うの?」って感じですが、明確に違いがあります。
「販売」と「転売」の違いは、間に消費者を挟んでるかどうか
転売は「消費者として買ったものを、別の消費者に売る」ことを指しています。
一般的な販売の流れが、
「メーカー」>>「小売店(卸価格で購入)」>>「消費者(小売価格で購入)」
に対して、
転売の流れは、
「メーカー」>>「小売店(卸価格で購入)」>>「消費者(小売価格で購入)」>>「消費者(転売価格で購入)」
となります。
小売店と消費者の間にもう一人消費者が入ることで、小売価格と転売価格の間に発生する差額を利益とするのが転売・せどりの仕組みです。
「物販」と「転売」の違いは、仕入先の違い
物販と転売も混同されがちですが、これも明確に違いがあります。
物販は、卸問屋という一般消費者が買えない市場で仕入れたものを販売します。
転売は、小売店という一般消費者が買える市場で仕入れたものを販売します。
物販は、卸問屋と取引をして小売店としての役割で販売するため流通が乱れることはありません。
対して転売は、いち消費者が流通に加わるため、商品の価値や価格に変動が起きる恐れがあります。
この価格の変動を利用して利益を獲得している一部の悪質な転売ヤーも多くいます。
転売ビジネスは稼げるのか?
転売ビジネスは稼ぎやすいです。
ビジネスモデルが非常にシンプルなので再現性が高く、その気になれば今日からすぐに参入できます。
多くの人が取り組んでいるため、有益なノウハウもネット上に転がってるので、正しく取り組んで毎日継続すれば、必ず成果は出ると言えます。
ただし冒頭で言った通り「稼げるかどうか」と「専業ビジネスとしておすすめできるか」は別問題です。
転売ビジネスの特徴と、4つのデメリット
転売はとてもシンプルなビジネスモデルなので、誰でも始められます。
その理由として「専門知識が必要ない」という特徴が挙げられます。
インターネットさえ使えれば、いつでも、どこでも始められて、参入ハードルが低く、初心者でも始めやすいのが転売ビジネスの特徴です。
これらの特徴は一見メリットにも見えますが、そのままデメリットにもなります。
デメリット1:転売ビジネスは参入しやすい = ライバルが多い
誰にでもできるほど参入しやすいビジネスということは、ライバルが多いということを意味します。
小銭稼ぎ程度ならいいですが、ビジネスとして継続する場合は差別化が難しいため、ライバルの多さはデメリットが大きいです。
「転売で利益が出る商品」というのは、他の人にとっても条件は同じなので、「限られたパイを奪い合うビジネスモデル」と言えます。
転売自体はシンプルですが、ビジネスとして継続するとなると途端に難易度が跳ね上がるわけです。
デメリット2:単純に作業が面白くない
実務に目を向けると、作業自体も非常にシンプルです。
転売ビジネスは市場リサーチが命です。
というのも需要と供給のバランスがアンマッチしてないと転売は成り立たないんですね。
基本的には「高値で取引されている需要が高い商品を見つけて、それを安い価格で仕入れて、売る」という一連の流れを繰り返すことになります。
リサーチしたら、今度は商品を仕入れて、検品して、梱包して、販売できたら発送して…という単純作業を、ひたすらに行います。
こうした地道な作業を圧倒的な量で積み重ねた先に、ようやくビジネスとして成り立つほどの利益が手に入ります。
転売が好きな人なら苦にならないかもしれませんが、そういう人はレアケースなのでモチベーションを維持するのが難しいです。
デメリット3:転売ビジネスは資産としてストックされない
個人的に一番のデメリットだと思う部分はここです。
どれだけ売れても在庫がなくなれば販売ができないため、また仕入れなければいけないという点です。
転売は労働集約型のビジネスなんです。
めちゃくちゃ頑張って月50万円稼いだとしたら、翌月も50万円稼ぐためには前の月と同じ分だけ頑張る必要があります。
転売ビジネスはレッドオーシャンなので、日々変化する市場のニーズを綿密にリサーチする必要があります。
ひたすらリサーチして、売れる商品を見つけて仕入れ、売り切ったら次の商品をリサーチし…という労働の繰り返しで利益を積み重ねます。
これではお金は増えるかもしれませんが、自社サービスの価値や信用が増えないので、資産としてストックはされないんですね。
ノウハウは蓄積されるので全く無駄にはなりませんが。
一人でやるビジネスは、一度作ったらずっと残って、ジワジワ売れ続けたり、どんどん価値が高まるような、ストックされる仕組み作りに力を入れるべきです。
転売はそういった原則からは完全に外れているので私はオススメしません。
外注スタッフを雇って仕組み化も出来なくはないですが、収益構造を考えると完全に自動化するのは難しいと思った方がいいです。
デメリット4:転売は社会的な意義や、やりがいを感じにくい
これは蛇足ですが、転売ビジネスはやりがいを感じにくいです。
「買いたくても買えない人に届けてる役に立つビジネスだ」という意見もたまに見かけますが、そういうことを言いたいんじゃないんです。
その仕事は、本当にあなたの価値を発揮できてるんですか?って話です。
社会に貢献して、価値を生み出して、感謝されて、自分の才能を発揮していることを実感できるビジネスなんでしょうか。
転売は販売単価があまりコントロールできないです。
せいぜい「安く仕入れる」か「流通価格より高く売る」か「販売数を増やす」ことでしか利益を増やせないんです。
だから数量限定の商品を買い占めて、需要と供給のバランスを破壊した上で、販売価格を釣り上げて売るという手法が成り立ちます。
転売ビジネスやってる人がみんながそうだと言ってるわけじゃないですよ。
でも実際そういう手段で稼げる業界ってのは事実です。
もちろん効率よくお金を稼ぐための手段として割り切れる人もいるでしょう。
ただ、お金のためだけに全てを投げ出して、モチベーションを継続できる適性を持った人がどれほどいるんでしょうか。
そこを乗り越えた人だけが青天井の収入を得ることができます。
人に感謝されて才能を発揮できるビジネスをやろう
いろいろ言いましたが転売自体は悪いことだと思いません。
不要品を販売したり、商品を仕入れて別の場所で販売するビジネスと、悪質な転売ビジネスは別物という認識です。
とはいえ、個人のスモールビジネスで転売を選択すると、どうしてもこの記事で書いたようなデメリット満載のモデルになりがちなので、私はオススメしません。
短期的に転売で稼いだお金で、違うビジネスや投資に回すならありだと思います。
スモールビジネスでは、どんなに参入のハードルが低くても、労働集約型で利益率が低いモデルってのは採用しない方がいいです。
労働時間と商品単価がコントロールできて、利益率も高く、人にも感謝されて、自分の才能も発揮できて、それが実感ができる。
そんな欲張りセットなビジネス作りを目指すのがスモールビジネスの鉄則です。
ライバルひしめく転売ビジネス業界で頭一つ抜けて大成功するほどの労力を掛ける覚悟があるのであれば、自分の価値が発揮できるサービスづくりをした方が結果的に成功率が高いと私は思います。
自分の専門性を発揮できるスモールビジネスの作り方については、こちらの記事もご覧ください。
ここまで読んで「デメリットが気にならない!やっぱり自分には転売しかない!」って方は、冗談抜きで転売ビジネスの適性があるので、今すぐ始めましょう。
今日は以上。また次回!